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道路沿いの家は止めた方が良いと言われるのはなぜ?

「道路沿いの家は止めた方が良い」と言われることもあって、良い物件を見つけても
大きな道路に面していると入居するか迷うケースも少なくありません。

では道路沿いの家は止めた方が良いと言われる理由は何なのか、
本当に止めた方が良いのかなどについて詳しく見ていきましょう。

道路沿いの家は止めた方が良いと言われる理由

「道路沿いの家は止めた方が良い」と言われるのにはいくつか理由があり、
その中でも最も大きな理由として挙げられるのが「騒音問題」です。

国道や県道といった幹線道路は常時車の交通量が多く、
朝夕の通勤時間帯には渋滞が発生することもあります。

住宅街にある家の中でも近くを車が通ると音が聞こえますが、
道路沿いの家では車の音がひっきりなしに聞こえてくるのです。

また消防署や病院が近くにあると、
頻繁に消防車や救急車のサイレンを聞くことになります。

さらに幹線道路沿いだと必ず歩道がありますから、人や携帯電話を相手に話しながら
歩いている人の声が家の中まで聞こえてくることもあります。

慣れると車の音も人の声も「生活音」になるのでそれほど気にならなくなりますが、
慣れるまではただの「騒音」なので気になって仕方ありません。

大型車両による振動

道路沿いの家は止めた方が良いと言われるもう1つの理由として
「大型車両が通行した時に起こる振動」があります。

「前の道路を大型車両が通っただけで家が揺れるの?」と思うかもしれませんが、
大型車両がある程度の速度で走行すると道路沿いの家は結構揺れます。

場合によっては、大型車両が前の道路を走ると「地震か!?」と身構えるぐらいに
家が揺れることもあるのです。

運送業の大型トラックは渋滞を避けるために早朝や深夜といった
通行量の少ない時間帯を選んで移動することがあります。

早朝や深夜は寝ている人も多く、大型車両が通るたびに振動で目が覚めるようだと
十分な睡眠が取れずにストレスが溜まってしまいます。

慣れると大型車両による振動はそれほど気にならなくなりますが、
そうすると地震による揺れにも鈍感になってしまうというデメリットにも繋がるのです。

排気ガスによる臭い

道路沿いの家で生活していると「排気ガスの臭い」も気になります。

最近は電気自動車や燃料電池自動車が普及してきてはいるものの、
まだまだガソリン車やディーゼル車も多いです。

ちなみにハイブリッド車は低速時のみ電気で通常走行時はエンジンで駆動しているので、
当然排気ガスが出ます。

排気ガスの臭いは建物の壁や地面に染み付くので、
一歩外に出ると車が通っていなくても排気ガスの嫌な臭いがかすかに漂っています。

先の騒音の問題もありますから、
窓を開けて部屋の換気をするといったこともしにくいです。

「マンションの高層階なら排気ガスの影響も少ないのでは?」と思いますが、
一般的な交通量がある道路沿いだと4~5階ぐらいまでは排気ガスの影響を受けます。

幹線道路で交通量が多い場合には10階ぐらいまで排気ガスの臭いが届くことも
あるのです。

また排気ガスに含まれる有害物質が家の壁に染み付くと、
外壁塗装の劣化を早めてしまう恐れもあります。

排気ガスによる健康被害

道路沿いの家で生活していると車が排出する排気ガスによる影響で健康被害が
発生することも考えられます。

国立環境研究所が行った実験では、ディーゼル車の排気ガスに含まれる微小な
有害物質を吸い込むことでアレルギー反応が悪化するという結果が出ているのです。

春先に人を憂鬱にさせる花粉症もアレルギー反応の一種で、
花粉症の症状である鼻炎や結膜炎が排気ガスによって悪化する恐れがあります。

さらに心肺や呼吸・循環機能にも悪影響を及ぼす恐れがありますし、
免疫機能への影響も指摘されています。

これまで病気と無縁だった人が道路沿いの家に引っ越した途端に
病気がちになるといったことがあるかもしれません。

病気までいかなくても花粉症が酷くなったり、小さいお子さんにこれまで無かった
アレルギーが出るぐらいのことは十分に考えられます。

洗濯物を外干ししにくい

道路沿いの家には「洗濯物の外干しがしにくい」というデメリットもあります。

第一は先にも書いた排気ガスの影響で、
外干しすると洗濯物に排気ガスの臭いや有害物質が付着してしまうからです。

もう1つは外干しした洗濯物が「人目につきやすいこと」です。

アウターや部屋着はいくら人に見られても平気ですが、
いくら洗濯物でも下着となると特に女性はあまり人に見られたくはありません。

マンションの4~5階から上なら気にしなくても良いものの、
低層階や一戸建てだと下着など一部の洗濯物は部屋干しせざるをえないのです。

また布団を干すことも難しいですから、
布団はコインランドリーで洗濯・乾燥させることになり余計は費用がかかってしまいます。

一戸建ては車の出し入れが面倒

道路沿いの一戸建てでは駐車場への車の出し入れが面倒です。

住宅街であれば車や人の往来は少ないですから、
家の駐車場に車をバックで入れるとしても前進で入れるとしても特に面倒はありません。

駐車場から車を出す際も人や車が来ないかを確認すれば良いだけです。

しかし道路沿いの家の駐車場となると、バックで入れるにしても前進で入れるにしても
一旦家の前でハザードランプを付けて停車する必要があります。

停車した上で人や車の流れが途切れるのを待って、
駐車場に入れる作業を行わないといけません。

駐車場から車を出す際にも人や車の流れが途切れるのを待たないといけないのです。

マンションは大きな駐車場の中にある個々の駐車スペースに車を停めるので、
一戸建てほど車の出し入れは面倒ではありません。

道路拡張で立ち退きを迫られる恐れがある

家の目の前にある道路が拡張されるとなった場合には立ち退きを迫られる恐れが
あります。

実際にある地域では、国道を一方通行の2車線から片道2車線の交互通行へ
拡張するのに国道沿いの家やお店の立ち退きが進められています。

もちろん無一文で放り出されるわけではありませんが、
自分に原因が無いことで住み慣れた土地から引っ越さざるをえなくなるのは辛いです。

既に片道2車線の大きな幹線道路沿いなら拡張による立ち退きの心配は少ないです。

しかし片道1車線で頻繁に渋滞しているような国道沿いの家は、
将来的に拡張による立ち退きを迫られる恐れがあるので注意しましょう。

道路沿いの家にはメリットもある

道路沿いの家は止めた方が良いと言われる理由をいくつか紹介しましたが、
道路沿いの家にはメリットもあるのです。

道路沿いの家を選ぶ大きなメリットの1つが「利便性の高さ」です。

特に交通量や人通りの多い幹線道路沿いには、
絶対と言って良いほどコンビニや飲食店があります。

郊外だとスーパーやドラッグストア、ホームセンターなどの大型商業施設が
道路沿いにあったりします。

病院やクリニック、調剤薬局も道路沿いにあることが多いです。

要するに徒歩圏内に色んな種類のお店が揃っているので、
道路沿いの家での生活では買い物に困らないということです。

また幹線道路沿いにはバス停もありますから、通勤や通学、最寄り駅に向かうのにも
困りません。

住宅街にある家だとちょっとコンビニへ行くのにも車や自転車が必要だったりするので、
閑静な反面買い物に不便を感じることがあります。

安全性が高い

道路沿いの家は住宅街など閑静な場所にある家よりも「安全性が高い」と言えるのです。

お店なども道路沿いには多いのでお店の営業時間中はそれなりに人通りがありますし、
早朝や深夜でもある程度は車が通行します。

道路沿いの家は周辺に全く人や車が通らない時間帯がほとんど無いので、
空き巣など良からぬことをするには「隙が少ない」のです。

また道路には必ず街灯が設置されていますし、道路沿いのお店から漏れる光や
看板を照らすライトのおかげで住宅街よりも真っ暗になる時間帯が短いです。

冬場は定時でも退社する頃には暗くなっていることも多いですから、
街頭やお店の光で明るい道を通って家まで帰れるのは大きなメリットとなります。

近隣住民とのトラブルが少ない

道路沿いの家では住宅街にある家に比べると近隣住民とのトラブルが少なく、
特に騒音に関するトラブルが道路沿いの家では少なくなっています。

住宅街は閑静なところが多いですから、
特に夜は隣の家の生活音が聞こえてくることがあるのです。

マンションなど集合住宅だと、普通に生活しているだけなのに下の階や隣の部屋に
住んでいる人から「うるさい」と苦情を言われることもあります。

しかし道路沿いの家では、表を走る車の音や歩く人の声などが常時聞こえているので
少々の物音は気にならなくなります。

洗濯機や掃除機、子供が遊んでいる音や声は車の音などにかき消されるため、
「生活音がうるさい」といった苦情を言われることはほとんど無いのです。

近隣住民とのトラブルがゼロにはなりませんが、閑静な住宅街よりは
道路沿いの家の方が確実に近隣の騒音トラブルは少ないです。

日当たりが良い

家の南側に道路がある場合は「日当たり」がかなり良いです。

一般的な国道は片道3~3.5mの幅がありますから、交互通行2車線で6~7m、
片道2車線だと12~14mは家の前が開けていることになります。

しかも国道や県道だと廃止となることは考えにくいので、
急に家の前に大きなビルなどが建つといった心配もありません。

家の南側に大きな建物が無く開けていれば当然日当たりは良く、
昼間は電灯をつけなくても家の中が明るく電気代の節約にも繋がります。

マンションの高層階であれば排気ガスを気にしなくて良いですし、
日当たりも良いので洗濯物が乾きやすいです。

道路沿いの家を選ぶ際に注意すべきポイント

道路沿いの家を選ぶ際にこれから紹介するいくつかのポイントを押さえておかないと、
入居してから後悔することになるかもしれません。

まず第一にチェックすべきポイントは「音」です。

家の中に居る時に道路を走る車の音や歩道の人が声がどの程度聞こえてくるかを
確認しておきましょう。

マンションやアパートといった集合住宅の場合は、
隣や上の部屋から生活音が聞こえてこないかもチェックしておくことも忘れずに。

日曜日など休みの日に内見に行くことが多いですが、
休みの日は車の交通量も人通りも平日より少ない可能性があります。

特に通勤や帰宅の時間帯、さらに夜間にどの程度の交通量があるのかが
騒音問題では重要です。

不動産業者を伴っての内見で難しい場合は、個人的に色んな時間帯に
入居を検討している道路沿いの家周辺に行って交通量を確認しておくと良いでしょう。

大型車両通行時の揺れのチェック

道路沿いの家への入居を検討する際には、表の道路を大型車両が通行した時に
家がどの程度揺れるかもチェックしておく必要があります。

しっかりとした耐震補強がなされていないと、
大型車両が通行するたびに地震と勘違いするほど家が揺れます。

築古物件で少し建付けが悪くなっていると、大型車両の通行によって
家は揺れなくても窓がガタガタと音をたてて揺れることがあるのです。

大型車両が通るたびに家が揺れたり、
窓がガタガタと音をたてたりすると想像以上に心理的ストレスを感じます。

排気ガスによる直接的な健康被害も気を付けないといけませんが、
車両の通行が起こす揺れによる間接的な健康被害にも注意が必要です。

周辺にどういった施設があるか

道路沿いの家への入居を検討する際には、
家の周辺にどういった施設があるのかもチェックしておきましょう。

一般的には引っ越し先の物件周辺の施設チェックは、
買い物などが便利かどうかのために行います。

道路沿いの家の場合は利便性に加えて、
どの程度快適に生活できるかを測るためにも行うのです。

例えば近くに消防署があると、早朝や夜間など時間を問わずにサイレンを鳴らした
緊急車両が家の前の道路を通行することが考えられます。

また空き地や閉店したお店など売りに出されている土地や物件があると、
入居後に工事が始まるかもしれません。

居酒屋などお酒が飲める飲食店がある場合は、酔ったお客さんが大声で話しながら
歩道を歩いていくといったことも無いとは言えないです。

周辺の施設をチェックしておき、
入居後にどういった事態が起こる可能性があるのかを想像しておくことも重要です。

交通量のチェック

家が面している道路にどの程度の交通量があるのかもチェックしておくと良いでしょう。

交通量が多い道路の方が便利ではありますが、車や人が多くなるほど騒音や揺れ、
排気ガスの問題が大きくなります。

交通量がそれほど多くなければ利便性は下がるものの、騒音や揺れ、
排気ガスの影響は小さくなるので生活しやすいです。

実際に色んな時間帯に物件周辺に行って交通量をチェックするのがベターですが、
そんな時間が取れない場合はネットでチェックしておきましょう。

Googleマップで物件の住所を検索してパソコンなら左下、スマホなら右上の
「レイヤー」から「交通状況」に進むとリアルタイムの周辺道路の混雑状況が分かります。

地域によっては幹線道路でも曜日や時間帯によって交通量が大きく変わることが
あります。

特定の曜日や時間帯には車が動かないほど渋滞するといったことあるので、
色んな曜日・時間帯の交通量をチェックしてください。

まとめ

道路沿いの家には少なからずメリットもありますから、
「道路沿いの家は止めた方が良い」とは一概には言えません。

騒音や排気ガスの影響などのデメリットも地域や物件によって度合いが違うので、
実際にどの程度のものかを事前に確認しておくことが重要です。

1度や2度の内見だけでは判断できないことも多く、
色んな曜日・時間帯に物件周辺を訪れておくことをおすすめします。

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