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同じアパートなのに家賃が違う!どうして?

あなたが賃貸アパートに住んでいるとして、
全く同じ間取りの隣の部屋より家賃が高いと分かったらどう思うでしょうか?

では実際に同じアパートの同じ間取りの部屋同士で家賃が違うことはあるのか、
同じ間取りの部屋でどうして家賃に違いが出るのかなどを詳しく見ていきましょう。

同じアパートでも部屋によって家賃が違うのは当たり前?

家賃は建物の持ち主の裁量である程度決められるので、
同じアパートの同じ間取りの部屋でも家賃が違うことはよくあります。

同じアパートで同じ間取りの部屋でも日当たりや設備などの条件が違っており、
そういった条件の違いが家賃の違いとして現れることがあるのです。

入居時期や入居期間、空室の多寡によっても賃貸の集合住宅の場合は
部屋ごとに家賃が変わることがあります。

同一商品同一価格が一般的な常識ではありますが、
同じアパートで同じ間取りでも条件が全く同じ部屋は基本的に存在しません。

一見同じように見えても細かく見ると条件が大きく違うこともあるので、
同じアパートでも部屋によって家賃が違うことはよくあるというわけです。

同じアパートで家賃が違う理由

同じアパートで部屋によって家賃が違う具体的な理由をいくつか紹介しましょう。

同じアパート同じ間取りで家賃が違う理由として一番多いのが「階層の違い」です。

アパートだとそれほど高層階はありませんが、
マンションだと10階20階といった高層階の部屋があります。

1つは安全上の問題で、
高層階の方がセキュリティ上の安全性が高いので家賃も高くなっています。

1階の部屋だとベランダから簡単に侵入することができますが、
20階の部屋にベランダから侵入するとなると命がけです。

高層階になればなるほどベランダから侵入される恐れが低く
セキュリティが高いので、その分低層階よりも家賃が高くなるというわけです。

もう1つは眺望の問題で、低層階は窓からの眺望は期待できませんが
高層階だと町全体が見渡せるほどの眺望が期待できます。

眺望が良いというのも部屋を貸し出したり売り出したりする際の「売り」になりますから、
必然的に高層階の部屋は家賃が高くなるのです。

1階と2階では安全性と眺望で家賃が変わることは少ないですが、
1階と10階なら安全性と眺望を理由に家賃が違うことは十分に考えられます。

中部屋か角部屋か

同じアパート同じ間取りでも「中部屋」と「角部屋」では家賃が違うことがあります。

実際に集合住宅に住んだ経験が無いと分かりにくいですが、
同じ間取りでも中部屋と角部屋では条件が全く違うのです。

角部屋は片側しか隣の部屋と接していませんから、
隣人との音についてのトラブルに巻き込まれるリスクが低くなっています。

中部屋は両側が隣の部屋と接しているため、
角部屋に比べると音のトラブルに巻き込まれるリスクが単純に2倍となります。

もう1つ角部屋は中部屋に比べて「窓が多い」ケースが多いです。

窓が多いと眺望のメリットも出てきますし、
何より部屋に取り込まれる日光の量が多くなります。

日中は自然光だけでも十分に明るく電灯をつける必要がありませんから、
結果的に中部屋に比べると電気代の節約に繋がる可能性が高いです。

音のトラブルに巻き込まれるリスクが低く、部屋の中が明るいと良い条件が
揃っているので角部屋は中部屋よりも家賃が高くケースが多いわけです。

中部屋でも日当たりが良いと家賃は高くなる

中部屋と角部屋では角部屋の方が家賃が高くなりやすいですが、
日当たりが良いと中部屋でも角部屋と同等の家賃設定になることがあります。

南向きで日当たりの良い部屋は人気で、
実際に部屋を探す際に「南向き」を条件に入れる人が多いです。

条件に入れる人が多いということは南向きの部屋は需要が高く、
家賃も他の部屋より高く設定しやすいわけです。

日当たりが良いと先にも書いたように日中は電灯を付けなくて良いので、
光熱費の節約になります。

また部屋干しであっても窓際であれば洗濯物も乾きやすくなりますから、
特にこまめに洗濯をする人にとっては南向きは重要な要素です。

ただ1つのアパートの中で南向きの部屋数は限られていますし、既に入居済みの
部屋もあるので必然的に空いている部屋は家賃が高くなるというわけです。

部屋の設備が違う

キッチンや風呂、トイレなどの設備が違っていると家賃に反映されます。

例えば同じアパートで同じ1Kの部屋であっても、片やユニットバス片や風呂とトイレが
別だと風呂とトイレが分かれている方が家賃が高くなります。

風呂とトイレが一緒か分かれているは分かりやすいですが、
実際にはもっと細かい設備の違いで家賃が変わることもあるのです。

風呂やトイレ、キッチンがちょっと広いとか、インターホンにカメラが付いているか
いないかといった細かい違い程度でも家賃が変わります。

ガスコンロの口数が違う、給湯器の型式が新しいといった
より細かい違いでも家賃が変わることがあります。

ユニットバスかどうかや風呂・トイレ・キッチンの広さの違いは、
物件情報を細かくチェックすれば事前に確認できないこともありません。

しかしガスコンロの口数や給湯器の型式は内見しないと分からないので、
アパートなど集合住宅の内見では細かいところまでチェックしておきましょう。

細かいところまで事前にチェックしておくことで、入居後に周辺の部屋と家賃が違うと
分かった時の交渉材料として使えるかもしれません。

入居時期の違い

同じアパート同じ間取りでも「入居した時期」によって家賃が変わることが往々にして
あります。

特に後から入居した人の方が家賃が安くなっているケースが多いです。

アパートでもマンションでも一戸建てでも、
築年数が古くなればなるほど建物自体の価値が低くなるのが一般的です。

建物自体の価値が下がれば家賃も下がりますから、
新築時に入居した人よりも築20年時に入居した人の方が家賃が安くなります。

ただし家賃を決める要素は築年数だけではないので、
築年数が古いアパートほど家賃が安いというわけではありません。

入居する月によっても家賃が変わる!?

同じアパート同じ間取りの部屋に同じ年に入居しても、
入居した月によって家賃が違うこともあります。

例えば同じ年の1~3月に入居した人と4月以降に入居した人では、
1~3月に入居した人の方が家賃が高くなっている可能性があります。

特に単身者向けのアパートの場合、
進学や就職など新生活スタートに合わせて入居希望者が増えるのです。

要するに需要が増えるわけですから、
相場よりも少し高い強気の家賃設定でも空室が埋まる可能性が高いです。

反対に4月以降は一気に入居希望者が減りますから、
家賃を下げてでも空室を埋めようとします。

新生活のスタートに合わせてアパートを借りざるをえませんが、
家賃だけのことを考えると4月以降に入居した方がお得なケースが多いです。

リフォーム物件

同じアパート内でもリフォームされている部屋はされていない部屋よりも
家賃が高くなります。

リフォームするにはそれなり費用がかかりますから、
その費用を回収するために家賃を周辺の部屋よりも少し高く設定するわけです。

建物は同じでも部屋や設備がリフォームによって新しくなっているので、
同じアパートの他の部屋よりも高くなるのは仕方のないことなのです。

一般的にリフォームと言うと、
和室を洋室に変えるといったような大がかりなものをイメージするかもしれません。

実際にそういった大がかりなリフォームが行われていることもありますが、
「水回りに少し手を加える」「クローゼットを広げる」といった程度のリフォームもあります。

水回りやクローゼットなど物件情報だけでは分かりにくいリフォームによって
家賃が変わっていることもあるので、アパートを借りる際には内見が重要です。

部屋のオーナーが違う

同じアパート同じ間取りでも部屋のオーナーが違うと家賃が違うことがあります。

アパートやマンション1棟まるごと1人のオーナーが所有していることもありますが、
1フロアごと部屋ごとにオーナーが違っていることもあるのです。

投資物件として集合住宅の1フロアや1部屋を購入することも増えているため、
同じアパートでも部屋にオーナーが違うというケースも増えています。

オーナーはそれぞれに賃貸物件に対する考え方が違っており、
少しでも多く利益を出したいオーナーは家賃を少し高めに設定します。

投資費用回収のために入居率を優先するオーナーであれば、
相場よりも少し安めの家賃設定しているのです。

基本的には同じアパート内で条件がほとんど同じなら、
オーナーが違っていても家賃を同じにしているケースが多いです。

しかし同じアパート同じ間取りで条件が全く同じでもオーナーによって
家賃が変わることもあるというのは覚えておきましょう。

仲介する不動産業者の違い

アパートなどの賃貸物件は不動産業者を仲介して貸したり借りたりします。

1つのアパートでも仲介する不動産業者は1つではなく、
同じ部屋を複数の不動産業者で取り扱っているケースもあるのです。

アパートや部屋のオーナーと不動産業者との付き合いによって、
同じ部屋でも家賃を安くしていることがあります。

それどころか同じ部屋なのに仲介する不動産業者によって家賃が変わることも
無いとは言えません。

例えばあるアパートの1部屋をA・B・Cという3つの不動産業者が
取り扱っているとします。

部屋のオーナーはCの担当者と懇意にしているため、AとBが家賃6万円のところ
Cだけ家賃5万円になっているといったことがあるのです。

懇意にしていなくてもCが「ウチを通して契約が決まったら広告掲載料を安くする」と
条件を出していることで、Cだけ家賃が安くなっていることがあります。

こういうケースは多くありませんが、気に入った部屋を見つけたら他の不動産業者で
より安い家賃で貸し出されていないかチェックした方が良いかもしれません。

同じアパートなのに家賃が違う場合交渉できる?

同じアパートで同じ間取りの部屋なのに自分だけ高い家賃を払っているのは
納得できません。

もし同じ条件の他の部屋よりも自分の家賃が高いことが分かった場合には、
オーナーもしくは仲介している不動産業者と家賃交渉しましょう。

賃貸住宅の借主が貸主と家賃交渉してはいけないという法律はありませんから、
家賃に納得ができないならしっかりと交渉すれば良いのです。

建物や部屋のオーナーと直接交渉するのがベターですが、
部屋を借りる時に仲介してくれた不動産業者と交渉してもOKです。

不動産業者に家賃を決める権限はないものの、不動産業者がオーナーに
家賃を下げてほしいという要望が出ていることを伝えてくれます。

交渉したからと言って必ず下がるものではありませんが、
他の部屋より家賃が高くて納得できない場合は交渉する価値はあります。

もし家賃が下がらなくても、他の部屋より家賃が高い理由を教えてくれるかもしれません。

他の部屋より高いだけでは家賃は下げてもらえない?

「同じアパートの同じ間取りの部屋よりも高いから自分の家賃を下げてほしい」と
交渉するだけでは下げてもらえない可能性が高いです。

賃貸住宅に関するあらゆることは「借地借家法」という法律で定められており、借地借家法には家賃減額に関する規定もあります。

借地借家法では「契約した賃料が不相当になった場合には、
借主はオーナーに対して家賃の減額を請求できる」といったことが書かれています。

要するに賃貸住宅の借主は家賃減額請求権を有しており、
これがオーナーと家賃交渉ができる根拠となっているわけです。

ただ借主の家賃減額請求にオーナーは必ず応えなければならないわけではなく、
「賃料が不相当になった」と認められないと家賃は減額してもらえません。

借地借家法の家賃減額請求権の条文には「近傍同種の建物の賃借に比較して
不相当になったとき」という前段があります。

この条文を額面通り受け取れば「同じアパートなのに家賃が違う」場合には、
家賃の減額に応じてもらえそうです。

しかし同じアパートで全ての部屋を同一家賃にしなければならない決まりは無く、
他の部屋と比べて少し高いぐらいでは「不相当」とは認められません。

実際に家賃減額に関する裁判でも、他の部屋と比べて高いというだけでは
家賃が不相当とは言えないという判決が出てきます。

地価が下落してアパートが建っている土地の価値が下がり、固定資産税など
オーナーの負担が軽くなったなどという場合は不相当と認められる可能性が高いです。

またアパートの周辺の家賃相場が大幅に下がったといった場合も、
賃貸契約時の家賃が不相当に高いと認められることがあります。

家賃減額は基本オーナーの善意

大規模な金融危機などよほどの事が無い限りは、
地価が急に大幅に下落することはありません。

要するに、借地借家法に基づいた形で家賃減額請求が認められて
家賃が下がることはほとんど無いというわけです。

ただオーナーとしては借主に出て行かれて空室になるのが一番困りますから、
賃貸契約を続けてもらうために多少の減額に応じてくれることがあります。

これはあくまでオーナーの善意による減額であり、
決して借主側の主張が100%認められたからではありません。

借地借家法の家賃減額請求権を盾に居丈高に交渉するのではなく、
オーナーの善意に訴える形で交渉するのがベターなのです。

まとめ

賃貸物件の家賃はオーナーがある程度自由に決められるので、
「同じアパートなのに家賃が違う」といったことは往々にしてあります。

また同じアパートでも日当たりや眺望、設備が違うことがあり、
そういった条件の良し悪しでも家賃が変わります。

ただ家賃が高くても黙って我慢する必要はなく、
高いことに納得がいかない場合にはオーナーと交渉することが可能です。

交渉することで減額される可能性も多少はありますし、
他の部屋と比べて高い理由を教えてもらえることもあります。

「安くなったらラッキー」「どうして高いのか知りたい」ぐらいの気持ちで交渉してみると
良いかもしれません。

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