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ガス警報器が賃貸物件についてない場合はつけないとダメ?

引っ越し先の賃貸物件でガスを使えるようしてもらう時、
ガス会社の人に「ガス警報器がついてないですよ」と言われたことありませんか?

賃貸物件にガス警報器は必要なのか、
ついてない場合にはどうすれば良いのかなどについて詳しく見ていきましょう。

賃貸物件にガス警報器の設置義務はある?

まず賃貸物件におけるガス警報器の設置義務ですが、
その物件で使用しているガスの種類によって有無が変わります。

ガス管でガスが送られてくるいわゆる「都市ガス」を使用している場合は、
戸建てでも集合住宅でもガス警報器の設置義務はありません。

ただし高さが60mを超える超高層建物はガス警報器の設置義務が課せられており、
タワーマンションではガス警報器を設置しなければならないケースもあります。

ガス会社の人が大きなボンベを持ってきてくれる「プロパンガス(LPガス)」を
使用しているとガス警報器の設置義務が発生します。

プロパンガスなら必ずガス警報器を設置しなければならないわけではありませんが、
3階建て以上の集合住宅は設置が必要です。

アパートだと2階建てがあるものの、マンションはほぼ3階建て以上ですから
マンションでプロパンガスを使用している場合はガス警報器の設置が必要となります。

ガス警報器の設置義務が無い建物でも設置が推奨されているので、
設置されていないとガス会社の人に「つけた方が良い」と言われます。

火災報知機は設置義務アリ

ガス警報器と似て非なるものに「火災報知器」がありますが、
こちらは設置義務が課せられています。

火災報知器は2011年に完全義務化となっており、2011年以降の新築物件はもちろん
2011年以前の既存物件でも火災報知器の設置は義務です。

集合住宅や戸建てといった建物の種類に関係無く全ての建物に設置が
義務付けられています。

ただし集合住宅については、建物自体に自動火災報知設備やスプリンクラーなどの
散水設備がついていれば各部屋に火災報知器の設置は不要です。

延床面積が500㎡を超える集合住宅には自動火災報知設備の設置が
義務付けられています。

小規模なアパートならともかくマンションだと延床面積が500㎡を上回っていることが
多いので、各部屋に火災報知器が無くても問題ありません。

プロパンガス使用の集合住宅でもガス警報器を設置しなくても良いケース

プロパンガスを利用する3階建て以上の集合住宅にはガス警報器の設置義務が
ありますが、例外として設置しなくても良いケースが設けられています。

1つは先に書いた自動火災報知設備や散水設備が建物自体に
設置されている場合です。

それ以外にも
 ・ガス燃焼器具が無い
 ・ガス器具がネジ接続で立ち消え安全装置が組み込まれている
 ・ヒューズガス栓で接続されていて立ち消え安全装置が組み込まれている
 ・ガス燃焼器具はあるが常時設置されていない
といった場合もガス警報器を設置する必要がありません。

「ガス燃焼器具が無い」はガスコンロやガス湯沸かし器、ガスファンヒーターなどの
ガスを使う燃焼器具を一切使っていないということです。

通常では考えにくいですが、オール電化の住宅であればガス燃焼器具を
一切使っていないことは十分に考えられます。

「ガス器具がネジ接続」はいわゆるビルトインコンロを指しており、立ち消え安全装置の
付いたビルトインコンロを使っているとガス警報器は不要となります。

「ヒューズガス栓」は規定量以上がガスが流れると自動的にガスが止まる仕組みの
ガス栓です。

最近はガス栓はヒューズガス栓が一般的となっていますし、
ガスコンロも立ち消え安全装置が標準装備されているものが一般的です。

比較的新しいガス栓やガス燃焼器具を使っている場合は、ヒューズガス栓で
立ち消え安全装置が付いているに該当する可能性が高くなっています。

「常時設置されていないガス燃焼器具」はいわゆるカセットコンロのことです。

ガス燃焼器具は使っているもののカセットコンロだけという場合もガス警報器の設置は
必要ありません。

ガス漏れによるトラブルを防ぐためにはガス警報器を設置した方が良いですが、
上記に該当する場合は無理に設置しなくてもOKです。

ガス会社の人が義務と言っているのは火災報知器かも

賃貸物件に引っ越した際にガス会社の人に「義務だから設置してください」と
言われるのはガス警報器ではなく火災報知器の可能性が高いです。

そもそもガス警報器の設置義務は無く、
各ガス会社の公式サイトにはガス警報器の設置義務が無いことが明記されています。

設置の推奨はしているので、ガス警報器が無い物件の住人に対して
「設置した方が良いですよ」ということはあります。

しかし義務でないガス警報器を「義務だから設置してください」とガス会社の人が
言うことは少し考えにくいです。

火災報知器は設置義務があるので、恐らくガス会社の人が「義務」だと言っているのは
ガス警報器ではなくて火災報知器なのではないでしょうか。

一般的にはガス警報器も火災報知器も「同じような物」と認識されているので、
「ガス警報器の設置が義務だと言われた」と勘違いしているケースが多いと思われます。

ガス会社の人に「義務だから設置してください」と言われた時は、
それがガス警報器なのか火災報知器なのか確認しましょう。

都市ガスとプロパンガスではガス警報器の設置位置が違う

同じガス警報器でも都市ガスとプロパンガスでは設置する位置が違うので
注意が必要です。

都市ガスを使用している住宅ではガス警報器はキッチンの天井付近に設置しますが、
プロパンガス使用の住宅だとガス警報器は床付近に設置します。

これは都市ガスは空気より軽く、プロパンガスは空気より重いという
性質の違いによるものです。

都市ガスは空気より軽いので漏れたガスは上方向に流れるため、
ガス警報器を天井付近に設置することでガス漏れが検知しやすくなります。

反対にプロパンガスは空気より重いので漏れたガスは下方向に流れ、
ガス警報器を床付近に設置すると検知しやすいというわけです。

ガス会社の人が設置してくれる場合は間違いがありませんが、自分でガス警報器を
設置する場合はガスの種類によって設置位置が違うので気を付けましょう。

ガス警報器の設置位置を間違えると、
ガス漏れが発生しているのに正しく検知できないことになりますよ。

賃貸物件のガス警報器設置費用は誰が負担する?

持ち家にガス警報器を設置する場合の費用が自己負担なのは当然ですが、
賃貸物件に設置する場合の費用は誰が負担するのでしょうか?

少しズルい回答になりますが、賃貸物件のガス警報器設置費用の負担者は
「ケースバイケース」となります。

賃貸物件に入居した時点で既にガス警報器が設置されている場合は、
オーナーの負担で設置されている可能性が高いです。

ガス警報器を設置したのはオーナーですから、
ガス警報器自体のメンテナンスや交換にかかる費用もオーナー負担となります。

入居時点で設置されておらず入居者が設置する場合は、
ガス警報器設置費用は入居者負担です。

ガス警報器の交換やメンテナンスにかかる費用も当然入居者が負担することに
なります。

ただし入居時点でガス警報器が設置されている場合でも、
交換やメンテナンスにかかる費用は入居者負担となるケースもあります。

「設置はしてあげるけど、その後のことは入居さんでやってください」というスタンスです。

オーナーや管理会社の考え方で費用負担者が変わりますから、
入居する前にガス警報器の設置費用について確認するのが良いでしょう。

ガス警報器はリースと購入どっちがお得?

賃貸物件を含む住宅にガス警報器を設置するのには「リース」と「購入」の2つの
方法がありますが、金銭面を考えるとリースよりも購入の方がお得です。

リースではガス警報器をガス会社が借りることになり、
月額料金という形でガス警報器のリース料を払うことになります。

購入はガス会社からガス警報器を買い取ることになり、
買い取り時にまとまった費用がかかるものの毎月の料金は発生しません。

例えば大阪ガスでガス警報器をリースするとリース料は月額382円で、
交換期限である5年間で合計22,920円支払うことになります。

同じガス警報器を大阪ガスから購入する場合は買い取り費用が15,070円です。

交換期限は同じ5年で、設置から5年が経過する頃にはリースでも購入でも
大阪ガスからお知らせが来て交換を勧めてくれます。

故障や不具合が発生した場合はリースの方がお得ですが、
故障や不具合が無ければ購入の方が断然お得なのです。

ガス警報器は市販の物でも構わない

ガス警報器はガス会社からリース・購入しなければならないわけではなく、
市販の物を使っても構いません。

実際に家電量販店や通販サイトでガス警報器を購入でき、
ガス会社を通さずに設置することも可能です。

市販のガス警報器は安い物だと3,000円台、高い物でも10,000円台で購入できるので、
ガス会社でリース・購入するよりリーズナブルです。

ただしガス警報器には5年の設置期限が設けられており、
自分で設置した場合はガス会社に交換時期を知らせてもらえません。

ガス警報器は作動しないに越したことはありませんから、
設置からしばらくすると設置したことすら忘れてしまいます。

「設置日時」と「交換時期」をメモしておかないと、設置から1年も経たない内に
いつ設置したのかいつ交換すれば良いのかが分からなくなるのです。

ガス会社を通して設置した物であれば、交換時期が近づくとガス会社が
知らせてくれるので設置したこと自体を忘れていても問題ありません。

しかし市販の物を自分で設置した場合は誰も交換時期を教えてくれないので、
設置時点で「設置日時」と「交換時期」をメモしておくことが重要となります。

メモしていても見ないと意味がありませんから、
冷蔵庫のドアなど目につく場所にメモを貼り付けておくなどの工夫も必要です。

条件次第ではガス警報器を無料で設置してもらえることもある!?

ガス会社との契約内容など条件次第では、
ガス会社が無料でガス警報器を設置してくれることがあるようです。

ガス会社ごとに条件が違っているようですし、
ガス会社によってはそもそもガス警報器の無償提供を行っていないこともあります。

ただネット掲示板やSNSで「エネファームを使っているとガス警報器を
無料で設置してくれる」という意見がちらほら見られました。

ガス会社の公式サイトで調べても該当する情報が見つからなかったので、
エネファームを利用すれば必ずガス警報器が無料になるわけではありません。

一時的に行われていたキャンペーンや代理店のサービスといったことも考えられます。

しかしエネファームを利用していればガス警報器が無料になる可能性がありますから、
エネファームを利用しているならダメ元でガス会社に問い合わせてみてください。

ガス警報器の設置は義務ではないので断れる

義務ではないものの推奨しているので、ガス警報器がついてない物件に
ガス会社の人が訪ねてくると当たり前のように設置を勧めてきます。

引っ越した際のガス開通時であれば、
勧めるどころか設置することを前提に話を進めようするケースもあります。

しかし先にも書いたように、
火災報知器と違ってガス警報器は設置が義務付けられているわけではありません。

ガス会社も設置を推奨しているだけで無理強いはできませんから、
不要だと思うのであれば設置を断ることも可能です。

普通に断れば引き下がってくれるケースがほとんどですが、
中にはしつこく設置を勧めてくることもあります。

断っても簡単に引き下がってくれない場合は、
 ・市販のガス警報器を買って設置する
 ・既にガス警報器を持っている
などと言って断ると良いでしょう。

ガス会社でリース・購入はしないけどガス警報器は設置するつもりである、
と伝えれば相手は引き下がらざるをえません。

既に設置されているガス警報器を解約することも可能

賃貸物件で、オーナーがガス警報器を設置してくれているけど月々のリース料は
入居者持ちといったケースがあります。

またガス会社の人に強く勧められて断り切れず、
不要と思いながらもガス警報器を設置してしまったということもあるかもしれません。

自分の意思とは別に設置されたガス警報器が不要なのであれば
解約することも可能です。

リースはガス警報器の交換期限である5年を契約期間としているので、
途中解約では違約金が発生することがあります。

違約金と言ってもスマホや光回線などのように数万円を請求されることはなく、
せいぜい1,000円程度です。

残りのリース期間が3か月以上残っていれば、
リース料より違約金の方が安いので途中解約でも金銭的にはプラスとなります。

ガスの料金明細などに記載されている番号に電話して「ガス警報器を解約します」と
伝えればOKなので、不要だと思うなら解約しましょう。

まとめ

ガス警報器には火災報知器のような設置義務はありませんから、ガス警報器が
ついてない賃貸物件に引っ越したからと言って設置しないといけないことは無いです。

ただし3階建て以上のマンションでプロパンガスを使用している場合は設置義務が
発生することもあるので注意してください。

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