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贈与税がばれない方法をYahoo!知恵袋で教えてもらえる?

Yahoo!知恵袋を見ていたら「贈与税」に関する質問や相談がたくさんあり、
中には「黙っていればばれないのでは?」といった相談も見受けられました。

そもそも贈与税はどういった場合に発生する税金なのか、
本当に黙っていればばれにのかなどについて詳しく見ていきましょう。

贈与税が発生する条件

贈与税は誰かからお金や価値のある品物を貰ったら必ず払わなければならない
というものではありません。

年間110万円を超える贈与を受けると贈与税が発生、
年間110万円までの贈与であれば贈与税は払わなくて良いです。

例えば親から300万円の現金を一括で貰ったとすると、
贈与税の控除額である年間110万円を超えるので贈与税が発生します。

しかし同じ300万円貰うのでも、年100万円ずつを3年に分けると
年間の贈与額が110万円以内に収まるので贈与税は払わずに済むのです。

現金を貰った場合だけでなく不動産や車、貴金属など販売価格や時価が
110万円を超える品物を貰った場合でも贈与税は発生します。

贈与税の税率

贈与税の税率には一般税率と特例税率の2種類があり、
親や祖父母など直系尊属からの贈与では特例税率が適用されます。

ちなみに一般税率は直系尊属以外からの贈与に適用されるので、
配偶者や兄弟姉妹から贈与を受けた場合に適用される税率です。

また直系尊属からの贈与であっても、
贈与を受ける側が未成年の場合は一般税率が適用されます。

贈与額に対する特例税率は
 ・200万円以下 10%
 ・200万円超~400万円以下 15%
 ・400万円超~600万円以下 20%
 ・600万円超~1000万円以下 30%
 ・1000万円超~1500万円以下 40%
 ・1500万円超~3000万円以下 45%
 ・3000万円超~4500万円以下 50%
 ・4500万円超 55%
となっています。

一般税率は以下の通りです。
 ・200万円以下 10%
 ・200万円超~300万円以下 15%
 ・300万円超~400万円以下 20%
 ・400万円超~600万円以下 30%
 ・600万円超~1000万円以下 40%
 ・1000万円超~1500万円以下 45%
 ・1500万円超~3000万円以下 50%
 ・3000万円超 55%

贈与額が300万円までは特例税率でも一般税率でも同じですが、
300万円を超えると金額によっては特例税率の方が税率が低くなることがあります。

控除額である年間110万円を超えた分に対して贈与税がかかるので、
例えば贈与額が300万円だと110万円を引いた190万円に対して贈与税がかかります。

200万円以下の税率は特例でも一般でも10%ですから、
贈与額300万円の贈与税は19万円となるのです。

現金で貰えば贈与がばれないのでは?

Yahoo!知恵袋でも見られた「現金で貰えば贈与がばれないのでは?」は
誰しもが持つ疑問です。

税務職員が大富豪でもない一般人を常時監視していることはありませんから、
証拠が残りにくい現金での受け渡しなら贈与がばれなさそうではあります。

「現金なら税務署に贈与がばれないのでは?」という疑問に対して
正直に答えるのであれば答えは「NO」です。

たとえ現金で受け渡しをしても税務署に贈与がばれる恐れは十二分にあります。

大富豪でもない一般人が110万円を超える現金を自宅に保管していることは考えにくく、
贈与のために金融機関口座から引き出していると考えられます。

また贈与を受けた側も110万円を超える現金をそのまま保管せずに
金融機関口座に預け入れる可能性が高いです。

金融機関を含む法人は税務署に支払調書を提出する義務を負っており、
一定額以上の取引を税務署は把握しています。

口座から110万円を超える現金を引き出したにも関わらず、
それ相応の買い物をしていないとなると「贈与したのでは?」と税務署は疑います。

また仕事の報酬や何かを売却したわけでもないのに口座に110万円を超える現金が
振り込まれると「贈与されたのでは」と税務署に疑われるのです。

贈与を疑った税務署は当該人に対して「お尋ね」を行い、
納得できる回答が得られなければ本格的な税務調査を行うことになります。

現金なら税務署にお金の流れがばれにくいのは確かですが、
贈与税申告が必要な高額の受け渡しとなるといくら現金でもばれる可能性が高いです。

密告やSNSの投稿がきっかけで贈与がばれることも

金融機関などが提出する支払調書でばれることが多いのですが、
中には密告やSNSへの投稿がきっかけで贈与がばれることもあります。

たとえば親から1000万円を超える高額贈与を受けて贈与税申告をしてないことを
友人に話したとしましょう。

人によっては高額贈与を羨ましいと思うこともあるでしょうし、
納税の義務を果たしていないのをズルいと思うこともあります。

羨ましいやズルいという感情から友人は税務署に対して
あなたが高額贈与を受けたことを密告することがあるのです。

またSNSで贈与自体について投稿しなくても、臨時収入があって高額な買い物をした
というような投稿をすると税務署に目を付けられます。

インターネットが一般に広く普及してからはSNSなどの投稿にも税務署は
目を光らせており、迂闊にお金に関する投稿をすると贈与を疑われます。

贈与税ではありませんが、芸能人が高額な臨時収入をYouTubeで投稿したために
税務署に一時所得の督促を受けたといったことが実際にありました。

漫画やドラマみたいと思うかもしれませんが、実際に密告やSNSの投稿がきっかけで
贈与がばれるケースもあるので注意してください。

贈与を受けたことが税務署にばれるとどうなる?

贈与を受けたことが税務署にばれると、
本来の贈与税に加えて追徴税を課される恐れがあります。

贈与税は贈与を受けるたびに申告するものではなく、1月1日から12月31日の
1年間に受け取った贈与について翌年の2月1日から3月15日の間に申告します。

例えば2023年1月1日から12月31日までに合計110万円を超える贈与を受けたら、
2024年2月1日から3月15日の間に申告しないといけません。

税務署に110万円を超える贈与を受けたことがばれても、
期限内に申告して納税すれば何の問題も無いです。

ただし税務署にばれた時点で申告期限が過ぎていると、
無申告となり無申告加算税が贈与税とは別に課されます。

期限内に申告したものの贈与額を少なく申告したことが税務署にばれると、
過少申告と見なされて過少申告加算税が課せられる恐れがあります。

申告をうっかり忘れた、計算ミスで過少申告になったなどの過失ではなく
故意に申告しない・少なく申告したとなるとさらに重い重加算税が課されるのです。

税金の利息である延滞税も別途かかってきますから、
本来の贈与税額に加えて余分な税金を納めないといけないことになります。

また意図的な無申告や過少申告で悪質と見なされると脱税で刑事告訴されて、
罰金や懲役といった刑事罰が課される恐れもあるので注意しましょう。

今後税務署による税金の取り立てが厳しくなる?

これまでは税務調査の対象は金額の大きい脱税や申告漏れが中心でしたが、
今後は金額が小さくても税務調査の対象となることが十分に考えられます。

バブル崩壊後に不景気が長く続いたことで税収はあまり増えないのに支出は減らず、
赤字国債が増える一方というのが日本の現状です。

今後は超高齢化による医療費の増大、少子化対策、防衛力強化などで
国の支出がさらに増えることが見込まれます。

法人税や所得税、消費税の増税だけでは賄いきれないので、
相続税や贈与税の対象を拡大しようという流れになってきているのです。

実際に相続税は基礎控除額が減額されて申告の対象が増えています。

親が亡くなる3年以上前に受けた贈与は相続税の対象外でしたが、
今後は親が亡くなる7年前までに受けた贈与が相続税の対象となります。

安定財源の1つとして相続税や贈与税も考えられているので、
今後は金額の小さい贈与税の申告漏れも見逃してもらえない可能性が高いのです。

贈与税を払わずに済む方法は?

年間110万円を超える贈与には贈与税がかかるルールですが、
贈与税を発生させずに高額贈与が受けられる方法も用意されています。

贈与税を発生させずに贈与を行う一番簡単な方法として「暦年贈与」が挙げられます。

簡単に言うと、多額の財産を一括で贈与するのではなく贈与税の控除額である
110万円に収まる金額を数年に渡って贈与し続ける方法です。

例えば親から1000万円を一括で贈与されたとすると、
1000万円から110万円を引いた890万円が贈与税の対象となります。

600万円超から1000万円以下の特例税率は30%なので267万円、90万円の
控除額が設定されているので90万円を引いた177万円を納めないといけません。

ところが年100万円ずつを10年に渡って贈与すれば、
1年間の贈与額は贈与税の控除額内に収まるので贈与税はゼロです。

同じ1000万円の贈与で、
一括だと177万円の贈与税が年100万円ずつの暦年贈与だとゼロになるのです。

ただし最初から贈与額を1000万円と決めて年100万円ずつ贈与を続けると
連年贈与と見なされる恐れがあります。

連年贈与と見なされると年間の贈与額は控除額内に収まっていても、
合計の贈与額に対して贈与税がかかってしまいます。

連年贈与ではなく暦年贈与と見なしてもらうには、
毎年贈与する金額を変えるか贈与契約書を作成するようにしましょう。

贈与契約書については後から作成することもできてしまうので、
公証役場で確定日付を付してもらわないと暦年贈与の証拠としては弱くなります。

相続時精算課税制度を利用する

贈与税を払わずに贈与を受けるには「相続時精算課税制度」を利用する方法も
あります。

先の暦年贈与だと合計では高額贈与が可能なものの、
年間では最大でも110万円の贈与しか受けられません。

相続時精算課税制度を利用すれば、
一括でも2500万円までの贈与については贈与税が発生しないのです。

まとまった金額の贈与が必要だけどできれば贈与税は払いたくないという場合は、
相続時精算課税制度を利用しましょう。

ただし2500万円を超える贈与分については金額に関わらず一律20%の贈与税が
発生します。

さらに贈与した側である親や祖父母が亡くなって相続が発生すると、
相続時精算課税制度を利用して非課税で贈与した分も相続税の対象となります。

例えば相続時精算課税制度を利用して一括で1000万円贈与されたとすると、
贈与を受けた時点では贈与税はかかりません。

贈与を受けた何年後かに親が亡くなると、生前に贈与を受けた1000万円を
相続財産に含めて相続税を計算することになるわけです。

相続時精算課税制度は贈与税を相続税に先送りするだけで、節税や免税のための
制度ではないので税負担がそれほど軽くはならないので注意してください。

また相続時精算課税制度の利用には事前の手続きが必要ですから、
早急にまとまった金額の贈与が必要なケース以外は大きなメリットはありません。

贈与税の非課税制度の特例を利用する

贈与税を発生させずに年間110万円を超える贈与を受けるには
「贈与税の非課税制度の特例」を利用する方法もあります。

非課税制度の特例にはいくつか種類がありますが、親から子への贈与では
 ・結婚、子育て資金
 ・教育資金
の2種類が主に使えます。

結婚や子育ての資金として使う目的での親から子への贈与では1000万円まで
贈与税非課税です。

子が教育を受けるための資金としての贈与であれば1500万円まで非課税となります。

ただしいずれの特例でも金融機関の専用口座にお金を預け入れる必要があり、
領収書等を提出しないと引き出すことができません。

贈与されたお金を使い切る前に親が亡くなると、
使い切れなかった分は相続遺産として相続税の対象となります。

また教育資金の場合、贈与を受けた側が30歳を迎えた時点で贈与された教育資金を
使い切れていないと贈与税が発生します。

さらに結婚、子育て資金と教育資金の非課税は特例ですから利用できる期限が
決まっており、2023年3月31日までです。

非課税制度の特例を利用するなら都度贈与を

結婚、子育て資金、教育資金の非課税制度の特例を利用するのであれば、
都度贈与の方が手軽です。

親は子を養育する義務があり、
養育のために子に使ったお金は贈与税の対象にはなりません。

実際に多くの人は小学校から高校、大学までの学費を親に出してもらっています。

他人に学費を出してもらうと贈与となり贈与税が発生しますが、親に学費を
出してもらうのは養育に必要なお金であって贈与ではないと見なされるのです。

結婚するあるいは教育を受けるのにお金が必要な場合に、
結婚式場や教育機関に親が直接お金を払えば贈与に当たりません。

いったん親からお金を貰って自分で払うのではなく、
お金が必要な時に親に出してもらうようにすると贈与税を払わずに済むというわけです。

ただし金額が大きすぎるなど状況によっては養育のためのお金でも贈与と見なされる
恐れがあるので注意してください。

まとめ

Yahoo!知恵袋などで「贈与税を払わずに済む方法」を質問すると
「現金で贈与して黙っていれば良い」という回答が返ってくるかもしれません。

これまでは運良く逃れられたケースもあるかもしれないですが、国の税収が減っている
こともあって今後は現金でも黙っていても逃れられない可能性が高くなります。

基礎控除や非課税制度などを上手く利用すれば、
贈与税を逃れることはできなくても負担を軽くすることは可能です。

ここで紹介した方法を含めて贈与税や相続税の負担を軽くするなら、
まずは税金の専門家である税理士に相談しましょう。

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