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10対0の交通事故での示談金相場は?怪我なしでも貰える?

被害者に一切落ち度が無い過失割合10対0の交通事故では、
被害者は加害者から多額の示談金が貰えると思われがちです。

では過失割合10対0の交通事故での示談金相場はいくらぐらいなのか、
被害者は怪我なしでも示談金が貰えるのかなどについて詳しく見ていきましょう。

交通事故の示談金は被害者の怪我が重要

過失割合に関わらず交通事故の示談金交渉では、
被害者が怪我をしているかどうかが大きなポイントです。

被害者が怪我をしている場合には通院代や入院代など治療にかかる費用に加えて、
怪我をしたことによる精神的苦痛に対する慰謝料が示談金として支払われます。

事故によって被害者が乗っていた自転車や車に損害が発生していると、
その修理費や買い替え費用も示談金に含まれます。

さらにスマホなどの所持品が事故によって壊れていれば、
その修理代や買い替え費用も示談金に含めてもらうことが可能です。

事故による怪我で通院・入院することになって仕事を休まざるをえない場合には、
休業損害も示談金として請求できます。

交通事故に遭ったものの被害者が怪我をしていない場合は物損事故扱いとなり、
基本的には実費しか示談金として受け取ることできません。

例えば自転車や車の修理代や買い替え費用、スマホなど所持品の修理代や
買い替え費用は怪我の無い物損事故でも示談金として貰えます。

しかし怪我をしていないので治療にかかる費用は当然もらえませんし、
怪我をしていない以上は仕事を休む必要もないので休業損害も発生しません。

また慰謝料は「怪我による精神的苦痛」に対して支払われるものですから、被害者が
怪我をしていない交通事故では過失割合が10対0でも慰謝料は基本的に無しです。

怪我ありの交通事故で請求できる示談金の範囲

過失割合10対0の交通事故で怪我をしている場合に
被害者が示談金として請求できる範囲をもう少し具体的に紹介します。

まず治療にかかる費用として治療費と入院費は当然請求できますし、
通院にかかる交通費も治療にかかる費用に含まれます。

通院に付き添いが必要な場合には付き添い看護費として、
簡単に言うと付き添いをした人の人件費を示談金に含めることが可能です。

事故による怪我が原因で後遺障害が残った場合には、
車いすなどの器具・装具の費用や介護費用が請求できます。

治療や入院で仕事を休むと休業損害、後遺障害で仕事を続けられないと
「逸失利益」として仕事を続けることで得られるはずだった収入も補償してもらえます。

次に事故が原因で損害が発生した物に対する補償で、
自転車や車が損傷している場合には修理代や買い替え費用を請求可能です。

スマホなどの事故時に所持していた物に損傷が発生した場合も同様に
修理代や買い替え費用が補償されます。

車の修理・買い替えに時間がかかるため代車を利用するとなったら、
代車費用も示談金として請求できます。

事故に遭ったのが商用車で、修理・買い替えによって使えない時には
営業損失も示談金で補償してもらうことが可能です。

怪我なしの物損事故では治療費や慰謝料は貰えませんから、
事故が原因で損害が発生した物に対する補償が示談金となります。

被害者にも落ち度があると過失相殺で示談金の金額が目減りしますが、
10対0だと過失相殺が無いので示談金は高額なる可能性があるのです。

過失割合10対0の交通事故の示談金の相場

交通事故の示談金には
 ・自賠責基準
 ・任意保険基準
 ・弁護士基準
という3つの基準があり、どの基準で計算するかで示談金の相場が大きく変わります。

「自賠責基準」は自動車の自賠責保険を計算するのに使われる基準で、
自賠責基準で示談金を計算すると金額が思ったより低くなる可能性が高いです。

「任意保険基準」は自動車保険の保険会社が用いる基準で、交通事故の交渉に
保険会社が出てくると任意保険基準で示談金を計算するのが一般的です。

「弁護士基準」は裁判基準とも言われるもので、
法的根拠を元に慰謝料などを計算します。

3つの基準の中では弁護士基準が一番金額が高く、基本的には被害者は
弁護士基準で計算した示談金を加害者側に請求することになります。

自賠責基準の示談金相場

自賠責保険では交通事故の慰謝料を算出するのに1日当たり4,300円という
明確な基準があります。

例えば治療に30日を要した場合は、
4,300円×30日=129,000円が自賠責基準での慰謝料となります。

治療代や入院代などの実費に加えて129,000円が慰謝料として貰えるので、
全治1か月程度の怪我なら20~30万円ぐらいが自賠責基準での示談金相場です。

治療期間が3か月4か月と長くなると50~100万円になることもありますし、
後遺障害が残る場合には自賠責基準でも示談金が数百万円になることもあります。

任意保険基準の示談金相場

任意保険基準の示談金相場は、それぞれの保険会社で基準が違っている上に
公表されないのでハッキリしたことは分かりません。

自賠責基準で計算するよりは金額が大きくなるので、
全治1か月ぐらいの怪我でも40~50万円ぐらい示談金が貰える可能性があります。

ただ保険会社は保険金支払いをできるだけ少なくしようとするため、交渉次第では
慰謝料が大幅に削られて示談金の金額が小さくなることがあるので注意してください。

過失割合10対0の交通事故では被害者側は保険会社に交渉をお願いすることが
できないので、被害者自身が加害者側の保険会社と交渉しなければいけません。

弁護士基準での示談金相場

弁護士基準にも明確な計算式があるのですが、
被害者の怪我の度合いによって慰謝料の金額が変わってきます。

擦り傷や打撲、むちうちでもMRIやレントゲンで異常が確認できない
自覚症状のみの場合は「軽傷」となって慰謝料の金額が低くなります。

MRIやレントゲンで異常が確認できるようだと「通常程度の怪我」となり、
軽症よりも慰謝料が高額となるのです。

例えば軽症で30日通院した場合の慰謝料を弁護士基準で計算すると19万円、
通常程度の怪我で30日通院だと28万円となります。

これに治療にかかる実費がプラスされ、通常程度の怪我だと弁護士基準では
全治1か月でも40~50万円ぐらいの示談金が貰える可能性があります。

過失割合10対0の交通事故で被害者となった場合には、
弁護士基準で計算した示談金を加害者側に請求するのが一般的です。

加害者側は自賠責基準や任意保険基準で計算した示談金を提示してくるので、
交渉して双方が納得できる落としどころを見つける形となります。

損益相殺に注意

交通事故の被害者となって示談金を計算する際には「損益相殺」に注意してください。

簡単に言うと、事故によって被害者が何らかの利益を得た場合には
その利益分を示談金から差し引くということです。

もっと分かりやすく言うと、交通事故による怪我の治療で保険金を受け取った場合には
受け取った保険金額分が示談金から差し引かれるということです。

例えば傷害保険に加入していて、交通事故の怪我を治療したことで
10万円の保険金を受け取ると損益相殺として示談金から10万円差し引かれます。

要するに交通事故の被害者が保険と示談金の二重取りをしないようにするための
ルールなのです。

過失割合10対0の交通事故では、
基本的に怪我の治療にかかる費用は全て加害者に負担してもらえます。

治療費が加害者負担となると交通事故の被害者となった時には、
怪我の治療にかかる保険請求は慎重に行いましょう。

ただし交通事故の怪我で治療を受ける際には国民健康保険や社会保険は
使わないといけません。

示談金の計算では治療費は国民健康保険や社会保険を使った場合の負担額が
用いられます。

いくら加害者負担でも国民健康保険や社会保険の負担分以上の治療費は
払ってもらえないので、交通事故の怪我を治療する際は保険証を持参してください。

過失割合10対0の交通事故で怪我なしの場合の示談金相場

交通事故で怪我をした場合には治療費に加えて慰謝料が貰えますが、
怪我をしていないと慰謝料は貰えません。

では過失割合10対0の交通事故で怪我なしの場合は示談金相場は
どのぐらいになるのでしょうか?

自動車同士の事故の場合、被害者が乗っていた車が受けた損傷の修理にかかる
費用が主な示談金となります。

もし被害者の車が全損となった場合には
買い替え費用を示談金として負担してもらえます。

ただし、いくら過失割合10対0の交通事故でも青天井で修理費や買い替え費用を
示談金として受け取れるわけではありません。

交通事故が発生した時点での被害者の車の「時価」を上限として修理費や
買い替え費用を負担してもらえるのです。

車の時価はオートガイド社が発行している「自動車価格月報」
いわゆる「レッドブック」に掲載されている金額を参考にします。

保険会社によってはイエローブックやシルバーブックと言われる「中古車価格ブック」、
インターネットの中古車価格情報を時価とするケースもあります。

年式が古いなどでレッドブックやインターネットで時価が調べられない場合には、
新車価格の10%程度を時価とするケースが多いです。

新車や高級車、中古市場で人気のある車なら車種によっては
時価が数百万円になることも考えられます。

しかし大衆車で使用歴が長く、中古市場でもそれほど人気が無い車だと時価が
10万円20万円程度になってしまうこともあるのです。

スマホなどの所持品に事故が原因の損傷が発生した場合も、
車と同様に時価を上限として修理代や買い替え費用を負担してもらえます。

過失割合10対0になる交通事故とは

交通事故で過失割合10対0になることはそれほど多くなく、
特に車同士の事故では双方に過失が認められるケース多いです。

過失割合が10対0になる代表的なものとしては「追突事故」が挙げられます。

例えば交差点で信号待ちをしているところに後ろから追突された場合は、
追突された側は交通ルールを守って信号待ちしているだけなので過失はゼロです。

また駐車場に車を停めている時や路肩に停車している時に後ろから追突されても、
追突された側には過失は無く10対0の交通事故となります。

追突事故では基本的に追突された側に回避する手段が無いので、
過失割合が10対0になるケースが多いわけです。

ただ双方が走行中の追突事故では、追突された側の回避する手段や急ブレーキ
などの可能性が考えられるため過失割合が10対0になることは少ないです。

センターラインを越えた逆走による衝突事故

車同士の衝突事故で片方がセンターラインを越えて逆走した場合には過失割合が
10対0になります。

完全な逆走ではなくても、片方の車がセンターラインを跨ぐような形で走行していて
衝突事故を起こしても過失割合が10対0になるケースがあります。

徐行が求められる道路ならともかく、制限速度が40km/h・50km/hの道路で
逆走してこられるとハッキリ言って回避できません。

仮に回避できたとしても一般道だと歩行者を巻き込んだり、建造物などにぶつかる
恐れもあるので通行帯を守っている側に過失は認められないのです。

信号無視による衝突事故

片方の車が信号無視をしたことで衝突事故を起こした場合も過失割合は10対0で、
信号無視をした方の過失が100%となります。

信号のある交差点では青信号であっても注意して走行しなければいけませんが、
さすがに信号無視して交差点に進入している車を想定することは不可能です。

何より信号無視は交通法規の無視ですから、交通法規を無視した運転手が
擁護されるはずもないので信号無視した方に100%事故の責任があるわけです。

車と歩行者の接触事故

車と歩行者の接触事故では、絶対というわけではないものの過失割合が10対0で
車側に100%責任があると見なされるケースが少なくありません。

歩行者が信号無視をしたり、近くに横断歩道があるのに横断歩道以外を
横切った場合などは歩行者側にも過失があると見なされます。

ただ歩行者が歩道を歩いていたり信号の無い横断歩道を渡っているところに
車が突っ込むと100%車側に事故の責任があります。

交通ルールでは歩行者は圧倒的な逆者であり、
特に横断歩道内は信号の有無に関わらず歩行者が最優先です。

また猛スピードで突っ込んでくる車を回避する手段も持ち合わせていないので、
車対歩行者の事故では車の過失割合が大きくなるわけです。

過失割合が10対0の事故被害に遭ったら

道路を車や自転車で走っていたり歩いていたりすると、
交通事故の加害者になることもあれば被害者になることもあります。

交通事故の被害者になった場合には、
その時点では痛みを感じていなくても病院で診察を受けることをおすすめします。

事故直後は被害者も興奮状態になりますから、
実際は怪我をしているのに痛みを全く感じないといったことがあるのです。

時間が経って冷静になるとここが痛い、あそこが痛いと後になって
痛みが出てくるといったことが十分に考えられます。

被害者が怪我なしで物損事故となった場合でも、
後から怪我していることが分かって人身事故に切り替えてもらうことは可能です。

ただ事故からある程度時間が経つと、
事故と怪我の因果関係を証明することが難しくなってしまいます。

加害者側にも「慰謝料欲しさに痛いと言い出したのでは?」と
疑われる可能性が高いです。

交通事故の被害者になったら、その場で加害者と警察に病院へ行くことを伝えて
人身事故扱いにしてもらい、できるだけ早く病院で診察を受けましょう。

診察の結果、怪我をしていればそのまま人身事故として処理してもらえば良いですし、
怪我なしだったら物損事故に切り替えてもらえばOKです。

物損事故で処理した後で「怪我をしていた」と申し出ると示談金交渉で揉める原因とも
なります。

あらぬ疑いをかけられても良い気がしませんから、交通事故の被害者になったら
痛みの有無に関わらずできるだけ早く病院で診察を受けることをおすすめします。

まとめ

過失割合が10対0の交通事故で被害者が怪我なしだった場合には、
示談金は車の修理代など実費のみです。

怪我をしている場合には、怪我の度合いや入院の有無などによるものの
治療費などの実費に慰謝料がプラスされます。

自賠責・任意保険・弁護士のどの基準で計算するかで金額が変わりますから、
治療期間何日の怪我の示談金相場はいくらとは一概には言えません。

事故の被害者になったもののどう対応したら良いか分からないといった場合には、
交通事故処理に詳しい弁護士に相談してください。

自身が加入している保険に弁護士特約がついていると費用は保険で賄えるので、
加入している保険会社にも対応を相談してみましょう。

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