MENU

駐車場で当て逃げされた、加害者が捕まる確率は?

駐車場に停めた車に戻ってみると停めた時には無かったはずの傷が・・・
といった当て逃げ被害に遭った人も少なくないはずです。

当て逃げ被害に遭ったら警察に通報しますが、
実際に当て逃げの加害者が警察に捕まる確率はどのぐらいなのでしょうか?

当て逃げで捕まる確率はほぼゼロ!?

法務省が交通事故などの検挙率を毎年発表していますが、
残念ながら当て逃げは法務省が発表している検挙率には含まれていません。

公式な統計結果が無いので確かなことは言えないものの、一般的には当て逃げの
検挙率すなわち当て逃げで捕まる確率はそれほど高くないとされています。

当て逃げよりも罪の重い「ひき逃げ」の検挙率は法務省によって公表されており、
2019年度のひき逃げ検挙率は64.4%です。

人が怪我をしているひき逃げですら6割余りの検挙率ですから、
当て逃げの検挙率は5割を大きく下回るのではないかと推測されます。

ほぼゼロとまでは言いませんが、当て逃げ被害を警察に報告しても
加害者が見つかることはあまり期待できないのが現状です。

商業施設の駐車場での当て逃げは比較的捕まる確率が高い

コンビニやスーパーなど商業施設の駐車場で発生した当て逃げについては
比較的捕まる確率が高くなっています。

商業施設の駐車場には監視カメラが設置されているケースがほとんどで、
当て逃げをした瞬間が映像で残っている可能性が高いのです。

プライバシーにも関わるので個人的には見せてもらえませんが、
警察なら監視カメラの映像をチェックすることができます。

警察に当て逃げ被害を報告しておけば、
監視カメラの映像から当て逃げの加害者が捕まる確率がグッと高まるわけです。

反対に言うと、商業施設の駐車場でこちらが当て逃げの加害者に
なってしまった場合も捕まる確率が高くなるということです。

ただし商業施設によっては監視カメラに死角があって、
当て逃げの瞬間が撮影されていないこともあります。

また監視カメラ映像は長期間保存されることが少ないので、当て逃げ被害に遭ってから
時間が経つと当て逃げの瞬間が消されてしまっていることも考えられます。

商業施設の駐車場で当て逃げ被害に遭ったら、
一刻も早く警察に報告することで加害者が捕まる確率を高めることができるのです。

自分が商業施設の駐車場で他の車に当ててしまった場合は、
逃げずにその場で警察に通報しましょう。

ドライブレコーダーの普及も当て逃げの検挙率を上げる一助

最近はドライブレコーダーを搭載している車が増えており、
ドライブレコーダーの普及が当て逃げの検挙率を上げる一助となっています。

手頃な価格のドライブレコーダーは車のエンジンがかかっている時しか作動しませんが、
高機能なドライブレコーダーだとエンジンが止まっていても作動します。

また車の前方だけでなく前後左右360度カバーできるドライブレコーダーであれば、
どこにぶつけられても証拠の映像が残るのです。

ドライブレコーダーは常時録画していて、
車体に衝撃が加わるとその前後数秒程度の映像を自動的に保存します。

万が一当て逃げ被害に遭ったとしてもドライブレコーダーを搭載していれば、
当て逃げの瞬間が映像として残っている可能性があるわけです。

映像が残っていれば少なくとも当て逃げした車種や色は分かりますし、
場合によってはナンバーや運転手の顔も分かるかもしれません。

ドライブレコーダーの映像は大きな証拠となりますから、
当て逃げ被害に遭ったらドライブレコーダーの映像を確認してみましょう。

商業施設などたくさんの車が利用する駐車場では、自分の車の前後左右に
停まっていた車のドライブレコーダーにも当て逃げ瞬間が映っている可能性があります。

駐車場で当て逃げ被害に遭ったら、警察に通報するとともに他の車の持ち主にも
協力してもらえるように駐車場の管理者にも連絡しておきましょう。

当て逃げ被害の泣き寝入りは法律違反!?

監視カメラやドライブレコーダーの存在で検挙率を上がっている可能性が高いとは言え、
まだまだ当て逃げの加害者が捕まる確率はそれほど高いとは言えません。

当て逃げでは「どうせ捕まらないから」と警察にも報告せずに泣き寝入りするケースも
多いですが、当て逃げの泣き寝入りは法律違反となる恐れがあるのです。

道路交通法では交通事故の当事者には警察に報告する義務があると明記されており、
怠ると報告義務違反として罰則の対象となります。

当て逃げにおける当事者は当て逃げした方とされた方ですから、
当て逃げされた方にも警察に報告する義務があるわけです。

当て逃げ被害に遭ったのに警察に通報せず、加害者が自首したことで当て逃げが
発覚すると被害者は報告義務違反に問われることがあります。

当て逃げされた上に報告義務違反で罰則を受けるなど冗談にもなりませんから、
当て逃げ被害に遭ったら泣き寝入りせずに警察に通報しましょう。

当て逃げの加害者が捕まっても賠償金は貰えない?

交通事故では加害者が被害者に多額の賠償金を支払うというイメージがあるかも
しれませんが、当て逃げで多額の賠償金が貰えることはありません。

多額の賠償金どころか賠償金自体を貰えるケースが当て逃げではほとんど無いのです。

交通事故には人が亡くなったり怪我をしたりする「人身事故」と物を壊す「物損事故」の
2種類があります。

人身事故では車の修理代や治療費の他に精神的な苦痛を与えたことに対する
慰謝料という形で賠償金が加害者から被害者に支払われます。

物損事故の場合、
被害者に怪我は無いので被害者自身の精神的苦痛も認められません。

怪我も精神的苦痛も無いので治療費も慰謝料も発生せず、
物損事故では車の修理代が賠償金として支払われるだけなのです。

「愛車を傷付けられた精神的苦痛」は物損事故では基本的に認められないので、
当て逃げで多額の賠償金が貰えることはありません。

ただし修理をすると車の市場価値が下がって、
売却価格が安くなってしまうことが考えられます。

当て逃げによって必要となった修理で市場価値が下がった分については、
加害者に賠償してもらえることもあります。

加害者側の保険会社は支払いを安く抑えるために、
車の市場価値が下がったことに対する賠償は認めない可能性が高いです。

交渉のプロである保険会社の担当者との話し合いでは、
何かと理屈を付けられて丸め込まれてしまうことが十分に考えられます。

しかし物損事故では被害者側の保険会社は出てこられませんから、加害者側の
保険会社に市場価値が下がった分の賠償を認めさせるには弁護士の力が必要です。

加入している自動車保険に弁護士特約が付いていれば、
物損事故の交渉時の弁護士費用は保険で賄えます。

当て逃げ被害に遭ったら、警察に通報した後に加入している保険会社にも連絡して
今後の立ち回り方を相談してみてください。

車両保険に加入していれば加害者が捕まらなくても修理代を補償してもらえる

当て逃げの被害に遭って加害者が捕まらないと、基本的には当て逃げでついた傷を
修理するのにかかる費用は被害者が負担しなければいけません。

何とも腹立たしいことですが、自動車保険に車両保険が付いていれば
加害者が捕まらなくても修理代を被害者が負担せずに済む可能性があります。

当て逃げでは通常加害者に修理代を請求しますが、加害者が捕まらない場合には
保険代位で加害者に代わって保険会社が車両保険で修理代を補償してくれるのです。

修理後に加害者が捕まった場合、車両保険で修理代を補償してもらっていると
被害者は加害者に修理代を請求することはできません。

保険代位によって車両保険で修理代を補償した保険会社が加害者に対して
修理代を請求することになります。

ただし駐車禁止区域に車を停めていて当て逃げされたなど、
被害者に過失がある場合は車両保険が使えません。

また車両保険には最低補償額が設定されていることがあり、
修理代が最低補償額を下回る場合には保険代位での修理代の補償は受けれないです。

例えば車両保険の最低補償額が10万円で修理代が5万円だと、
車両保険は使えず修理代5万円は自腹で払うことなります。

車両保険を使うには警察が発行する事故証明書が必要ですから、
当て逃げ被害に遭ったらまずは警察に通報することを忘れないでください。

車両保険を使うと自動車保険の等級が下がる

当て逃げ被害に遭って加害者が捕まらない時に車両保険を使って
修理代を補償してもらうと、加入している自動車保険の等級が下がります。

車両保険を使って当て逃げの傷を修理すると、
自動車保険の等級が原則3等級下がってしまうのです。

自動車保険の等級は1年無事故で1つ上がるので、当て逃げで車両保険を使って
3等級下がると元の等級に戻すのに3年かかってしまいます。

等級が下がると保険料が高くなりますから、
今後3年間はこれまでよりも高い保険料を支払わなければならないわけです。

車両保険を使うことで今後3年間に余分に支払う保険料と修理代を比較して、
当て逃げの修理に車両保険を使うかどうかを決めましょう。

ただし車両保険に無過失事故特約が付いている場合には、
加入者に過失の無いもらい事故での車両保険使用では等級が下がりません。

自分が他の車にぶつけてしまった場合の対処法

自分が車を運転していて駐車場などで他の車にぶつけてしまった場合、
周りに誰も居ないと逃げてしまいたくなる気持ちは分かります。

しかし逃げることで自ら罪を重くすることになるので、
自分が他の車にぶつけてしまったら逃げずにすぐ警察に通報するようにしましょう。

警察に通報したら加入している保険会社にも連絡して、
今後の対応について相談してください。

賠償金など示談交渉は基本的に保険会社が行ってくれるので、
基本的には被害者と直接話をする必要はありません。

ただ車をぶつけて迷惑をかけていますから、
手土産を持って被害者の元へ直接謝罪しに行くぐらいのことはした方が良いです。

物損事故では被害者との示談が成立すれば刑事上の責任は問われない可能性が高く、
免許証の違反点数が加算される行政上の処分も受けません。

被害者の車の修理代を支払う必要はありますが、
それも保険で賄われるので金銭的な負担も発生しません。

当て逃げをしたら

他の車にぶつけて逃げたら通常の物損事故よりも罪が重くなります。

すぐに警察に通報すれば通常の物損事故となり、先に説明したように刑事上や
行政上の責任を問われて処分を受けることはほとんどありません。

ところが当て逃げでは、物損事故そのものに対する罪は重くないものの
逃げたことに対する罪が重くなるのです。

事故を起こしたにも関わらず警察に通報しなかったということで、
道路交通法の報告義務違反となります。

二次被害を防ぐための措置も講じてしませんから、
道路交通法の危険防止措置義務違反も問われます。

被害者との示談が成立したとしても警察に悪質と見なされると刑事上の責任が問われ、
危険防止措置義務違反で1年以下の懲役または10万円以下の罰金です。

道路交通法では報告義務違反よりも危険防止措置義務違反の方が重いですから、
危険防止措置義務違反のみの責任が問われます。

また行政処分として危険防止措置義務違反で5点、
安全運転義務違反で2点の合計7点の違反点数が加算されます。

違反点数がゼロでも当て逃げだけで30日間、違反点数が2点以上だと60日間、
5点だと90日間の免許停止となるのです。

また1年以内に免許停止の前歴があると、
当て逃げをすることで免許取り消しとなる恐れもあります。

すぐに警察に通報すれば法律上の責任を問われたり処罰を受ける恐れが無いことを
考えると、逃げることの罪の重さがよく分かります。

当て逃げではなくひき逃げになる恐れも

当て逃げのつもりだったものがひき逃げになってしまうことも考えられるのです。

駐車場などで他の車にぶつけた際、
ぶつけた車に誰も乗っていなければ物損事故で逃げると当て逃げとなります。

ところがぶつけた車に人が乗っていて、
その人が怪我をすると人身事故となり逃げるとひき逃げになってしまいます。

当て逃げだと1年以下の懲役または10万円以下の罰金ですが、
ひき逃げだと15年以下の懲役または150万円以下の罰金となる恐れがあるのです。

人身事故を起こした場合には、
それだけで過失運転となって10年以下の懲役または100万円以下の罰金となります。

ひき逃げでは通常の人身事故に救護義務違反が加わるので、
15年以下の懲役または150万円以下の罰金となるわけです。

後部座席に小さいお子さんが乗っていると外から見えないこともあり、
単なる物損事故だと思っていたものが人身事故だったというケースも考えられます。

ひき逃げは全体の検挙率が6割以上で、怪我の度合いが大きくなるほど
検挙率が上がって人が亡くなると捕まる確率はほぼ100%です。

交通事故においては逃げることで罪を重くしますから、
たとえわずかな物損事故でも警察に通報するようにしてください。

まとめ

当て逃げの検挙率は公式に発表されていませんが、
検挙率はかなり低いと推測されます。

特に商業施設の駐車場のように不特定多数の車が出入りするところでは、
加害車両の特定が難しいため泣き寝入りせざるをえないケースも出てきます。

ただ最近は監視カメラやドライブレコーダーの普及で、商業施設の駐車場でも
当て逃げの証拠が集まりやすく加害者が捕まる確率も高くなってきているのです。

当て逃げ被害に遭っても泣き寝入りせずに、まずは警察に通報するようにしてください。

反対に自分が他の車にぶつけてしまった場合も、
逃げなければ罪は軽いですから必ず警察に通報しましょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次